標準的な和風住宅をモダンでオシャレな洋風邸宅へ 家族の“世代交代”に対応したフルリフォーム
オーナーのご一家はリフォーム当時、40代後半のご夫婦と小学生の長女、生まれたばかりの長男という4人家族。物件はご主人の実家で、ゆったりとした4LDKの日本家屋です。築年数は28年ですが、昭和56年施行の新耐震基準に適合。そのため構造自体はかなりしっかりしており、土台と骨組みは充分に既存のまま生かすことが可能でした。
親世代が愛着を持って暮らし、オーナー自身も青春時代を過ごした思い出深い家だから、使えるものは使い、残せるものは残すというコンセプトのもと、当社一級建築士がオーナー様とじっくりと時間をかけて打合せをし、使い易くリフォーム。「慣れ親しんだ空間を残したい」という心情的なこだわりもフルリフォームを選ぶ大きな理由になる。その典型的な事例と言えるかも知れません。
若い家族のライフスタイルとひと味違う“残し方“の提案
H邸のリフォームポイントもズバリ、若い4人家族のライフスタイルに合わせた“和”から“洋”への変身。古い日本家屋によくある和室の続き間を広々としたフローリングのワンルームに変え、リビングの一角に設けた仏壇スペースは縁のない琉球畳で段差をなくし、洋風のモダンな空間と滑らかに一体化しています。キッチンや洗面・バスルームといった設備面はすべて一新。インテリアだけでなく、部分的に自然石風の外壁サイディングを施した外観も「洋風邸宅」そのものです。
もちろん、見逃せないのはオーナーの希望でもある「古い家」の残し方。モダンな洋風コーディネートの中で控えめに存在を主張する純和風の欄間や床柱は慣れ親しんだ実家の材料をそのまま利用し面影を伝え、上質な“和洋ミックス”のテイストを醸し出しています。機能は最新に、デザインは古き良きモノを残す。それが「世代交代リフォーム」の妙と言えるでしょう。
耐震補強を施した基礎と柱のみを残し、スケルトン状態から内部をレイアウトしていくプロセスは新築の注文住宅とほぼ同じ。今回のようなフルリフォームはハウスメーカーとして新築戸建て住宅も供給していた殖産住宅の実績とノウハウが最大限に生かされたケースでもあるのです。